2024年のNISA(ニーサ)成長投資枠で、VYM(バンガード・ハイディビデンド・イールドETF:Vanguard High Dividend Yield ETF)という人気の米国高配当株ETFを購入しました。
その結果、VYMとSBI証券の両方に対してちょっと惜しいと思ったことを書いていきます。

VYMや米国高配当株ETFに興味がある方の参考になれば幸いです。
VYMをざっとご紹介します
VYMは米国バンガード社が運用する米国高配当株ETFです。
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスという米国の高配当銘柄で構成される指数に連動するように設計されています。
抑えておきたいVYMの特徴は下記のポイントです。
- 平均分配金利回り約3%と高配当
- 10年間の平均増配率が約6%と右肩上がり(2.15ドルから3.49ドルに増配)
- 10年間の基準価格も右肩上がり(約70ドルから約130ドルに上昇)
- 経費率0.06%と格安
- 米国の高配当企業約400社へと広く分散されている
このとおり非常に優秀な実績を持つETFです。
コロナ禍の2020年や2021年にも増配していることも頼もしいです。

減配はリーマンショック後の2009年と2010年のみ。それ以外は増配です!
また、米国株は1株(口)から購入できます。
その分、1株当たりの単価が日本円で数千円から数万円のものが多いですが、日本株を1単元(100株)で購入するより少額で投資できることが多いです。

VYMは1口約130ドル、日本円で19,500円くらいです。(執筆時)
2024年には、SBI証券で年4回分配金が出るVYMの投資信託(愛称:SBI・V・米国高配当株式(分配重視型))も登場してVYMへの投資がより身近になりました。
私が購入したのはSBIの投資信託ではなく、本家のVYMです。
なぜ本家の方かというと、SBI・V・米国高配当株式は設定されたばかりなので、もう少し様子見したいと思ったからです。

NISA口座の成長投資枠で購入しました。
ちなみにNISAは非課税ですが、外国株(ETF)の場合外国税10%は非課税にならないのでご注意ください。
まさかの増配率が低迷
平均増配率が6%ということは、
去年:100ドル
今年:106ドル
来年:112ドル
という増配が期待できます。
ところが、
VYMの分配金の推移グラフをご覧ください。

2023年の分配金は3.48ドル
2024年の分配金は3.49ドル
かろうじて0.3%増配でした。
でも増配率は過去10年間で最低で平均増配率6%にかなり及ばず。
減配しなかっただけ良かったと前向きに捉えていますが、、、
さらに分配金利回りも過去10年間で最低

しかも分配金の利回りは2.7%、、、
結果的に2024年は分配金の増配率と利回りがダブルで過去10年間で最低だったのです。
実は、購入時のVYMは平均利回り約3%より少し低かったのですが、増配するからすぐ追いつくと思いきや追いつきませんでした、、、
新NISAでの初年度だったのにちょっと残念です。
ただ、利回りの低下は分配金の伸び率よりも基準価格(元本)が上昇したからです。

2024年の基準価格は1年で約20ドル、18%ほどの上昇です!
これはこれでうれしいですが、、、
今回の結果を見て、これからVYMを買うなら3.0%以上の利回りになってからにしようと思いました。
円安のおかげで円ベースで8.5%増配、でも、、、

私たち日本で生活する人にとって必要なのは「円」です。
そのため、ドルで入金された分配金を円に交換する必要があります。
VYMの分配金を円に換算して2023年と2024年を比較したのがこちらです。
配当月の月末に円に交換したとします。
まず、2023年です。
配当月 | 分配金(ドル) | 米ドル/円 | 分配金(円) |
3月 | 0.7172 | 133.53 | 95.77 |
6月 | 0.8767 | 144.99 | 127.11 |
9月 | 0.7846 | 149.58 | 117.36 |
12月 | 1.0995 | 141.83 | 155.94 |
合計 | 3.48 | − | 496.18 |
円ベースでの分配金は約496円です。

米国株は3ヶ月に1度配当が出ることが多いです。
次に、2024年がこちらです。
配当月 | 分配金(ドル) | 米ドル/円 | 分配金(円) |
3月 | 0.6555 | 151.41 | 99.25 |
6月 | 1.0237 | 161.07 | 164.89 |
9月 | 0.8511 | 142.73 | 121.48 |
12月 | 0.9642 | 158.18 | 152.52 |
合計 | 3.49 | − | 538.13 |
円ベースでの分配金は約538円です。
2024年は前年より円安に振れたため、円ベースにすると分配金は42円の増配、増配率は8.5%です!
ただ、日米金利差が縮小しそうな局面を迎えており今後は円高に向かいそうです。

円高は、1ドル=150円から1ドル=130円になるというイメージです。
円高になるにつれて、もしかしたらVYMが増配しても円ベースでは減配になるかもしれないです、、、
SBI証券で受け取ったドル建ての配当を使うには”ふた手間”かかる
SBI証券で受け取ったドル建ての配当(分配金)を使えるようにするためには、“2回”自分で操作する必要があります。

まずは、ドルを円に交換する時です。
SBI証券の口座にログインして自分でドルから円に交換する操作をする必要があります。
ドルを手動で円にした後は、私はSBI証券と住信SBIネット銀行を口座連携したハイブリッド口座を持っているので、自動でハイブリッド口座に入金されます。

2回目の操作は配当を使うために代表口座へ移動する時です。
ハイブリッド口座の残高をATMで引き出したり口座振替やクレジットカードなどの支払に充てるためには、自分で代表口座に資金を移動させる必要があります。
どちらも自宅でできますし、簡単な操作なので覚えてしまえば手間ではないのですが、、、

楽天証券だとこの作業を不要にできます。
楽天証券には自動的に配当をドルから円に交換して楽天銀行へ入金してくれるサービスがあります。
楽天銀行の普通預金口座は1つしかないので資金移動する必要もありません。
SBI証券は日本株の単元未満株取引に最適なので、これからも愛用するつもりです。
住信SBIネット銀行にも目的別口座や定額自動入金など便利機能があり、しかも手数料無料で使えます。

私は目的別口座で旅行資金などを積立ています。
SBI証券も楽天証券のようにドルの配当が自動的に円で住信SBIネット銀行の代表口座に入金されるようになればいいなと思っています。
まとめ
この記事では、2024年にSBI証券でVYMを購入して思ったことを書いてきました。
VYMはドルベースでは少しだけ増配でしたが、増配率も利回りも過去10年で最低という残念な結果でした。

普段は成績優秀なのに2024年はいまいちだったという感じです。
分配金を円ベースにすると、為替の影響で8.5%ほど増配ですが円高に向かいつつある現在、今後実質減配もあるかもしれません。

外国株からの配当は為替の影響を考慮しておく必要があります。
また、SBI証券では受け取ったドル建ての配当を円で使うために”2回”自分で操作する必要があります。
楽天証券ではこの操作を不要にできるので、現状では米国高配当投資をするなら楽天証券の方が手間がかからないです。
SBI証券は、日本の単元未満株取引では秀でているのですが、、、
VYMや米国高配当株ETFに興味がある方の参考になれば幸いです!